アナウンサーの頃、そして今
粋、自堕落、仕事、酒、バンカラ、、、。あれもこれも抱えての80年。
自分の評判なんて気にするんじゃない。褒められたい、認められたい
と思ったら、仕事がウソになってしまう。
昔流に云えば「人生たかだか50年、立って半畳、寝て1畳」
「宵越しのゼニは持たない」といった、江戸っ子気質を貫いて
アナウンスの道にのめりこんだ。「道」とは本来「未知」なのである。
それを「美知」に昇華させるプロセスを「道楽」という。しかし
のめりこみすぎると「道落」になってしまう。NHKのアナウンサーには
4つの不文律がある。曰く、「学力優秀」「身体強健」「眉目秀麗」
「品行方正」。冗談じゃねえ。そんな神様みたいなアナウンサーに
聴取者の心のヒダに届くアナウンスができる筈がない。
特に「眉目秀麗」「品行方正」には抵抗を感じた。
こんな経緯から「民放」が誕生する。昭和26年9月1日、民放第一声。
そして、今「どすこい倶楽部」。間合いが良い。楽しい毎日である。