半ドンって知ってた
今どき「ドン」と言っても、分からない人の方が多いと思いますが、正午を
知らせる号砲のことで、「午砲」という字をあてていました。
東京では明治4年から昭和4年まで。毎日欠かさず正午には鳴りわたり
市民に親しまれていました。江戸城の本丸跡、今の皇居東御苑で、空砲を
撃ったもので、私も子供の頃、聞いたことがあります。
ところが、昭和4年からはこの「ドン」にかわって近代的で経費の安い
「サイレン」になります。この「サイレン」は小石川区(現在の文京区)の
竹早小学校とNHKの愛宕山(昔のNHKはこの愛宕山から放送しました。)と
墨田区の両国公会堂の3カ所で鳴らしたものです。
お年よりは、土曜日のことを「半ドン」と言いますが、オランダ語のドンタク
(日曜日)の半分の意味と、この「半ドン」からきているようです。
さて、両国公会堂のサイレンですが、昭和8年12月23日朝、2つなると
皇太子(今の天皇陛下)、1つだと内親王の誕生だと言うように広報されて
いました。私も両国公会堂のサイレンで皇太子の誕生を知った訳。
ラジオがまだ全国に普及していない時代、両国公会堂は情報の発信源でした。