本所七不思議って知ってる?
釣りの好きな人が夕方、吊り上げた魚を持ち帰ろうとすると
「おいてけ、おいてけ」という声がして釣った魚がいつの間にか
いなくなってしまうという「置いてけ堀」の話がありますが
東京の民話「本所七不思議」の1つです。
18世紀のはじめ、江戸の城下町は武家屋敷が満杯になって
隅田川を渡った本所に新しく住める町を作ろうと開発の手が入ります。
その頃の本所はタヌキやキツネが出そうな片田舎で、この辺りが
七不思議の舞台になりました。
「たぬき囃子」は夜中にまつり囃子が聞こえてくるが
何処で演奏しているのか分からない。
「送り拍子木」は歩く夜道、後ろで拍子木の音がするので
振り向くと何もない。
「送り提灯」というのは提灯の明かりが見えるんだけれど
パッと消えてしまい、遠ざかるとまた点くという。
「片葉の葦」は、両国橋近くの入堀の葦は片側しか葉が生えないと
いうもの。
「足洗い屋敷」は、本所三笠町(今の亀沢3,4丁目辺り)の旗本屋敷に
毎晩巨大な葦が天井から現れ「足を洗え」というので
洗ってやると引っ込んでします。
「明かりなしのそば」というのは、南割下水に出る「二八そば」の提灯が
点いたためしがなく、点けてやってもすぐ消えてしまうという。
本所七不思議といっても七つだけではないようです。
現在では消滅してしまった話も含めて12話から14話もあります。
前述のほかに「津軽家の太鼓」、「埋蔵の溝」、「赤豆婆」、
「三ツ目の橋の火」、「姥の足跡」、「姥が蔵」、「なかぬひぐらし」等があります。