浩養園って知ってた?
私の子供のころ、今、墨田区役所の立っているところは
「浩養園」というビヤホールでした。ビールの本場・札幌でも
名古屋でもビヤホールは「浩養園」を名乗っていますので
浩養園はビールの代名詞みたいになっています。
でも浩養園というのは、江戸時代からあった名前です。
徳川11代将軍・家斉が築かせた庭園で、水野出羽守忠成に
下げ渡します。幕末になって佐竹右京大夫に移ったことから
「佐竹の庭園」と呼ばれた時代がありました。
江戸文化を背景にした代表的な庭園で、園内には小さな
丘があって三方が眺望できるというのが自慢だったと
言われています。右に吉原、正面に浅草寺、左は吾妻橋が望め
目の前に隅田川という景観はすばらしいロケーションです。
また、園内には茶店や石灯籠の他、太田道灌の遺物も古色に
満ちていたと言われています。
明治23年(1890)から一般にも公開されていましたが
明治32年(1899)にサッポロビール(後にアサヒビール)が
買収します。平成になって墨田区役所、アサヒビール本社
都市整備公団などのビルが建って現在に至っていますが
中庭の「親水テラス」に昔の浩養園の雰囲気が残っています。